オンプレミス + プライベートクラウド

オンプレミスの課題を
クラウドでカバー

ハイブリッドクラウドで
それぞれのメリットを活かしたシステム構築

オンプレミス+プライベートクラウドとは?

今あるオンプレミスの課題を
クラウドでカバーすることが可能に。

企業の基幹システムではオンプレミス環境を利用しているケースが多くあります。すべてを自分たちで調達・構築して運用するのがオンプレミス(※)ですが、ハードウェアやOS保守終了後の延命やリプレイス、エンジニアの確保が大きな課題になりがちです。

※保守を外部業者に委託するケースもあります。

オンプレミスの課題をクリアするため、現在ではハードウェアを自社で所有せずクラウドサービス事業者が提供するクラウド環境へ移行するケースが増えています。 クラウド環境は主に「パブリッククラウド」と「プライベートクラウド」があり、それぞれに特徴とメリット・デメリットがあります。そこでオンプレミス・パブリッククラウド・プライベートクラウドを2つ以上組み合わせることで、それぞれのメリットを活かしつつデメリットをカバーしあうことが可能に。これを「ハイブリッドクラウド」と呼びます。

どれかひとつダウンしたらシステムが全停止する実装はしないこと。

ハイブリッドクラウドには4つのパターンが存在します。
オンプレミスからのクラウド導入であれば①②④のいずれかが選択肢となります。システムやデータの性質とメリットとデメリットを検討して組み合わせを決定しましょう。最終的にはオンプレミスを廃止する③も考えられますが、以下の点が重要です。オンプレミスもクラウドも障害はつきものです。どこに障害が発生してもシステムを継続できるように設計・実装することが大切です。そのためDR(ディザスタリカバリ)を考慮したオンプレミスの継続・廃止も検討対象となるでしょう。ここでは当社のプライベートクラウドサービスを例にハイブリッドクラウドの構成例や考え方、ハイブリッドクラウド化までの流れをご紹介します。

オンプレミス + パブリッククラウド

オンプレミス + プライベートクラウド

パブリッククラウド + プライベートクラウド

オンプレミス + パブリッククラウド + プライベートクラウド

オンプレミスとプライベートクラウドの比較

当社のプライベートクラウドサービスは「所有せずに専有できるクラウド」をコンセプトに開発・提供されています。
一般的なプライベートクラウドの特長に加え独自の特長を備えることで、オンプレミスに近い感覚でプライベートクラウドを利用することが可能です。

オンプレミス プライベートクラウド
メリット
  • 必要とする要件をすべて満たすことができる
  • 自社のポリシーに従ったセキュリティを確保できる
  • すべてが自社専用であり、他ユーザーの影響を受けない
  • 万一の障害時には自社で即時に対応可能で、復旧する優先順位の決定も可能
  • 専有で隔離性が高く(セキュリティ面含む)、速度も速い
  • 関東・中部・関西・九州リージョンが存在し、用途や目的によって選択可能
  • 費用は固定料金(月額)なので、インスタンスが多くなると安い
  • オンプレミスとの親和性が高く、IPアドレスを引き継ぐことが可能
デメリット
  • すべて自社で調達するため、初期投資が非常に高額になりやすい
  • ハードウェア・ネットワーク・システムと幅広いエンジニアリングが必要
  • 障害対応はすべて自社で対応する必要がある
    (ハードウェアの保守期間終了後は、故障時の修理が難しく、リプレイスにも大きなコストが必要になる)
  • IaaSしかない(※)
  • サイジングは自分次第
  • 費用は固定料金(月額)なので、インスタンスが少ないうちは高い

プライベートクラウドは基本、IaaS だけなので(※)、OS から上の層はユーザ自体が用意しなくてはなりません。ミドルウェアの全てのを自分達でデプロイしなくてはならない一方で、IaaS 上のインスタンスは、パブリッククラウドにも、オンプレミスにも持って行くことができるメリットが生まれます。パブリッククラウドにあるPaaS/FaaS インスタンスは、その仕組みさえ理解できれば、開発量を減らすこともできますし、デプロイ作業の量を減らす事もできます。

※ 当社では別途、ネットワークアプライアンスサービスとして、UTM/FW はFortinet 社のFortiGate UTM、ADC/LB はFortiADCを提供しています。

ハイブリッドクラウドの構成例

InfiniCloudのプライベートクラウドサービスなら、まるでオンプレミス環境がネットワーク的に拡張したようなハイブリッドクラウドを構築できます。
この例ではサービスネットワークを当社のPrivate Connectでレイヤー2(データリンク層)で延伸しています。そのためIPアドレス空間をそのまま引き継ぐことが可能です。また、オンプレミスで必要だった物理レイヤーの管理はプライベートクラウドでは不要になるため、移設が進むほど管理コストが削減されます。プライベートクラウド側にルーターやUTM、ADC(Application Delivery Controller)を設置してインターネットへのアクセスを用意できます。

導入事例

課題の整理

A社は契約しているデータセンターにオンプレミスでVMware vSphere環境を構築・運用していました。各部門は情報システム室に申請して仮想サーバーを作成・使用することができる体制でしたが、各部門が独自に物理サーバーやパブリッククラウドを利用するため情報システム室が会社全体のシステムを把握できなくなっていました。そのため分散するシステムを集約して一元管理するプロジェクトが立ち上がり、各部門で使用しているシステムやサービスを集約するには以下が課題になりました。

仮想化基盤のスペック不足

オフィス-データセンター間の帯域不足

耐障害性の確保

調達やラックスペース追加などのコストに加え、システム全体をカバーできるエンジニアの確保の難しさによりクラウドへの集約が検討されました。

ハイブリッドクラウドへ

お客様と当社による打ち合わせと提案・ブラッシュアップを重ね、方針は以下のように決定しました。

仮想化基盤は当社「VMwareプライベートクラウド Dedicated Type」を採用

→ オンプレミス・各部門独自のサーバーはプライベートクラウドに移設
→ データストア用ストレージは将来も考慮して13TBモデルを採用

オフィスと当社クラウド間、オンプレミスと当社クラウド間はPrivate ConnectでL2延伸

→ フレッツ光ネクストのIPv6 NGN網経由で、専用線と比べ回線の維持費を大幅に削減

オフィスからのインターネットアクセス時のセキュリティ向上のため、アクセスポイントをプライベートクラウド上のUTMに集約

→ オンプレミスのファイルサーバーはそのまま利用を継続し、定期的にプライベートクラウドと同期してバックアップ

将来的にはプライベートクラウドに移設
オンプレミスの仮想化基盤は保存

→ それまでは閉域網経由でセキュリティと帯域を確保

月額費用例

今回の例の当社標準価格は以下です。

項目 単価 個数 月額(税込)
VMwareプライベートクラウド Dedicated Type 40vCPU / 192GB
(最低利用期間3年)
216,700円 2 433,400円
エンタープライズストレージサービス for VMware Dedicated Type 13TB
(最低利用期間2年)※2台1組
561,000円 1 561,000円
エンタープライズストレージサービス バックアップストレージ 10TB 88,000円 1 88,000円
Private Connect フレッツタイプ 1Gbps ベストエフォート
・ オフィス-プライベートクラウド
・ お客様DC-プライベートクラウド
132,000円 1 132,000円
ネットワークアプライアンスサービス UTM VDOM
10000 Active Session / 10 SSL-VPN
55,000円 1 55,000円
インターネット接続サービス 100Mbps ギャランティ(固定IP 8個) 116,600円 1 116,600円
パブリッククラウドリンクサービス 50Mbps
※別途パブリッククラウド側のプライベート接続サービスの申し込みが必要です。
27,500円 1 27,500円
1,413,500円
  • 表示価格は全て税込です。
  • 価格はリージョンやサービス世代等の条件により異なる場合があります。
  • 初期費用は月額費用のおよそ2.5倍とお考えください。

導入プロセス

.01設計フェーズ

契約リソースを使い切る設計は障害を招く

最小限の仮想マシン単位で利用可能なパブリッククラウドとは違い、プライベートクラウドは仮想化基盤のリソースを「枠」として契約するIaaSのため、最初に全体の構成を考慮する必要があります。 もちろん運用中にスケールアップ・スケールアウトも可能ですが、プライベートクラウドでは即時のリソース追加や一時的な追加はできません。そのため先を見据えた設計と計画が大切です。当社の経験上、仮想化環境で発生する障害の9割以上はリソース不足に起因します。オンプレミスと同様、7~8割程度の利用率を目標として余裕を持った運用が大切です。また、サーバーの物理故障も考慮する必要があります。サーバー故障時は当社にて復旧作業を実施しますが数営業日かかる場合があります。1台故障しても分散できるよう、常に1台分の余剰を持つべきでしょう。

.02移行・移設フェーズ

クラウドに移行・移設すべき優先順位

L2延伸を含むプライベートクラウド環境ができたら、移行・移設フェーズに入ります。お客様にて移行・移設(P2V・V2V)を進めていくことになります。いろいろな考え方がありますが、まずはテストマシンの移設や構築で、手順の確認や使い心地をご確認ください。あとは、オンプレミスに存在するサーバーの保守期限やシステムの持つ性質や冗長性、利用者に対するメンテナンス調整などにより、優先順位やオンプレミスに残すものを決めていくとよいでしょう。

.03プライベートクラウド運用フェーズ

将来を見据えた運用を

2.の移行・移設フェーズと並行して、プライベートクラウド運用フェーズが始まります。プライベートクラウドのリソース使用状況や負荷状況を観察しつつ、将来を含めた拡張計画や運用計画を立てていきましょう。

プライベートクラウドサービス

速度、コストに優れた標準的IaaS

Private Cloudの隔離されたセキュリティと、速度、コスト共にに優れたIaaS。Windowsや各種Linuxに対応し、業務用サーバからウェブサービスまで対応。

High Response Private Cloud

オンプレミス環境のVMwareから移設

オンプレ仮想化基盤で人気のVMwareを採用し、InfiniCloudの基盤の上でVMware利用が可能。
V2Vのリフト&シフトに対応。

VMware Private Cloud

Solarisをお使いの方

既存のSolaris SPARCマシンのソフトウェア資産を生かしたまま、サーバー管理コストが不要になり、安価にSPARCプロセッサ環境のクラウドへ簡単に移行できます。

Solaris SPARC Private Cloud

Private CloudPrivate Cloud
StorageStorage
NetworkNetwork